九州大学 先導物質化学研究所 藤田研究室

受験生の皆さんへ

 

 

研究室より藤田克彦

有機デバイスは近年勃興した新しい分野です。創意工夫次第で大きなブレイクスルーをもたらす高い可能性を持っています。当研究室では、材料化学、物理化学、物性物理、電気電子、エネルギー科学といった多種多様な背景をもった学生が全国から集まっています。研究には有機化学や物性物理など幅広い知識が必要とされますが、逆に、必要とされる知識を全て履修した学生はいません。材料系出身者は電気物性を、電気系出身者は有機化学をというように必要な知識を貪欲に吸収していく積極性は求められますが、今、勉強していることが活かせないということはありません。新しいフィールドに飛び込む勇気と、やる気が重要なのです。
あなたも新しい技術分野を立ち上げていく歴史の担い手になりませんか。

藤田 克彦   
物質・材料系の学生へ
experiment

電子デバイスの分野で、有機物は従来、絶縁体や筐体など受動的な機能を担ってきました。近年になって有機ELが実用化され有機半導体がデバイス応用可能であることが示されて、能動的な機能材料としての活用がはじまりました。新たな機能を引き出したり、デバイスの動作原理を解明するための新材料の開発やそのデバイス応用に興味のある人の参加をお待ちしています。

電気系の学生へ

有機半導体は応用が始まったばかりで、発光素子や太陽電池、トランジスタ、メモリなど、今、まさに開発と基礎研究がはじまったところです。シリコンデバイスの黎明期のような活気とフロンティアスピリットが溢れています。新しい分野で新しいデバイスの発展に貢献したいという意欲のある人の参加をお待ちしています。

研究室の紹介

特長

無限の可能性を持つ有機物の特性、特に分子性に着目して、これを生かした新たな光・電子機能材料を創製するための研究を私たちは中心課題にしています。

研究内容

sony

有機ELと有機トランジスタを使った

フレキシブルディスプレイ (SONY)

現代はシリコン半導体に基づいたエレクトロニクス全盛の時代であり、今の高度情報化社 会はシリコンの上に浮かんでいると言っても過言ではありません。しかし、次代のユビキタス社会からその次の段階である高度なネットワークを活かした環境共生型社会へと進化を続けていくにつれ、より人に優しいデバイスや生産に高温高圧を必要としない低エネルギーコストデバイスの体系へ移行していくと考えられます。当研究室では、これまで使われているシリコンのような硬い(ハード)デバイスから有機半導体素子のような柔らかい(ソフト)デバイスへの移行を推進 することを目指して研究を続けています。

ソフトデバイス研究の3つの側面
1) デバイス動作機構と構造   デバイスが動作するしくみを明らかにし、最適なデバイス構造を明らかにすること、これが一つ目の側面となります。  
   
 
2)材料開発   有機材料は無機材料に比べ遙かに種類が豊富で、必要な性質に応じて設計・合成することができます。高性能デバイスに必要な材料設計指針を明らかにすること、これが第二の側面となります。  
   
 
3)プロセス  

シリコンデバイスが驚異的な発展を遂げるためのキーテクノロ ジーとなったのはフォトリソグラフィとイオンドーピングというプロセス技術であったことは論をまたないでしょう。ソフトデバイスでの最適構造構築や微細加工を実現するキーテクノロジーを見いだすこと、これが第三の側面となります。

 
   
 

これら3つの研究側面は独立して存在するものではなくお互いに深く絡み合った相互依存 関係にあり、全てを考慮して研究する必要があります。当研究室では3つの側面それぞれを扱った研究テーマを遂行しながら、ソフトデバイス発展に必要な技術 体系をトータルに考えた研究展開を行っています。

 

人材育成

これまで誰も考えなかったような新しいものを見いだすことこそ、研究のおもしろさと意義があります。
たとえ、先人の研究を再現することから研究を開始しても、その成果を越えていかなければ なんの意味もありません。当研究室では、自主的に独自性を持って実験・研究の展開ができる研究者を育てるために、学生の自主性を最大限に尊重することを特徴としています。与えられた実験を行うのではなく、自ら考え、実験し、結果について考察する---このことが研究者としての成長に大きく貢献すると私たちは考えます。

 

行事・セミナー

グループミーティング(2週に1回、進捗報告)
ランチミーティング(週初の昼食時、週間予定報告と装置スケジュール調整)
中間発表会(年2回、口頭発表形式)
文献紹介(週1回、最新の論文の紹介)
ゼミ(基礎的素養を身につける)

 
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研究内容

積層型高分子有機EL素子

藤田研究室では、有機EL、有機太陽電池、有機メモリ、有機トランジスタの開発と、その高性能化のための材料開発、デバイス動作機構の解明といった幅広い研究を行っています。特に低コスト大面積デバイスへの展望を拓くための湿式プロセスとその最適材料、素子構造を探索しています。

  1. 積層型高分子有機ELの開発
  2. 二重絶縁型有機ELの開発
  3. バルクへテロ接合型有機太陽電池の構造制御
  4. 有機半導体/電極界面の接合層のメカニズム解明
  5. ナノ粒子複合型有機抵抗メモリの開発
  6. 有機デバイス製造プロセスESDUS法の開発
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最近の修了生就職先 

  • 平成30年度修了  パナソニック リコー 三菱電機 ジャパンディスプレイ  
  • 平成29年度修了  三菱電機  トヨタ自動車九州  
  • 平成28年度修了   トヨタ自動車九州 高校教員
  • 平成27年度修了  三洋化成 東洋鋼鈑 日立造船 サンディスク
  • 平成26年度修了  パナソニック 京セラ 丸栄産業
  • 平成25年度修了  三菱電機 日産自動車 LIXIL
  • 平成24年度修了  住友化学 北九州市役所
  • 平成23年度修了  三菱電機、コニカミノルタ、ソニーセミコンダクタ九州
  • 平成22年度修了  三洋電機、新電元工業
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